simulation
UnityのPhysicsシステムには、シミュレーションの動作を制御するためのオプションがいくつか用意されています。その中でも、Simulation Modeは重要な概念です。以下では、Simulation Modeについて詳しく解説します。
Simulation Modeとは
UnityのPhysicsシステムでは、物理シミュレーションの計算をどのように行うかを決定するモードを選択できます。これにより、ゲームのパフォーマンスや物理挙動の精度を調整することができます。
主なSimulation Mode
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Discrete (離散)
- 説明: デフォルトのシミュレーションモードです。このモードでは、物理計算がフレームごとに行われ、オブジェクトの状態が更新されます。
- 特性:
- 衝突判定や物理演算は毎フレームごとに行われるため、比較的リアルな物理挙動を得ることができます。
- 高速移動するオブジェクトの衝突を検出しにくいことがあります。この場合、物体が他の物体を「貫通」してしまうことがあります(これを「トンネル効果」と呼びます)。
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Continuous(連続)
- 説明: 高速移動するオブジェクトに対して、衝突判定をより正確に行うためのモードです。このモードでは、オブジェクトの移動経路に沿った衝突判定が行われます。
- 特性:
- 高速で移動するオブジェクトが他のオブジェクトに衝突した場合でも、より正確に衝突を検出できます。
- CPUリソースをより多く使用するため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
Simulation Modeの設定
Simulation Modeは、Unityの物理設定から変更できます。以下の手順で設定が可能です。
- Edit > Project Settings > Physics を選択します。
- Physics Settingsウィンドウが開き、そこでSimulation Modeを設定するオプションが表示されます。
- Simulation Modeのドロップダウンメニューから、DiscreteまたはContinuousを選択します。
適切なSimulation Modeの選択
- Discreteを選択するのは、一般的なゲームで問題が発生しない場合や、パフォーマンスを重視する場合に適しています。
- Continuousを選択するのは、高速で移動するオブジェクト(例えば弾丸やミサイルなど)を扱う場合や、オブジェクト同士の衝突が非常に重要な場合に適しています。
まとめ
- UnityのPhysicsシステムには、DiscreteとContinuousの2つのSimulation Modeがあります。
- Discreteは一般的なゲームで使用され、パフォーマンスに優れていますが、トンネル効果が発生する可能性があります。
- Continuousは、高速移動オブジェクトの衝突を正確に検出できるが、パフォーマンスへの影響が大きくなります。
- シミュレーションモードは、プロジェクトのニーズに合わせて選択し、最適な物理シミュレーションを実現することが重要です。