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5_2_TCPとUDP

TCPとUDPとは?(通信プロトコルの違い)

ネットワーク通信では、データを送受信するためのルール(プロトコル)が必要です。
その中でも代表的なのが TCP(Transmission Control Protocol)UDP(User Datagram Protocol) です。


1. TCPとは?

TCP(Transmission Control Protocol) は、信頼性の高い通信を実現するプロトコル です。
✅ 送信したデータが確実に届くように、エラー確認や再送処理を行います。

📌 特徴

特徴説明
信頼性が高いデータが正しく届くように保証される
順番が保証される送信した順番通りに受信される
エラー検出・再送機能データが破損・消失した場合、再送する
接続型(コネクション型)通信前に接続を確立する(3ウェイハンドシェイク)

📌 仕組み

  1. 接続を確立(3ウェイハンドシェイク)
  2. データを送受信(確認応答 - ACK)
  3. 通信を終了(コネクションを切断)

📌 使われる場面

用途具体例
WebサイトHTTP/HTTPS(80/443番ポート)
メールSMTP(25番ポート)、IMAP(143番ポート)
ファイル転送FTP(21番ポート)
リモート接続SSH(22番ポート)

📌 例:Webページを開く(HTTP/HTTPS)

curl -v https://example.com

TCP通信を使い、Webサーバーからページを取得


2. UDPとは?

UDP(User Datagram Protocol) は、高速な通信を重視したプロトコル です。
✅ データの送信はするが、届いたかどうかの確認はしません(ベストエフォート型)。

📌 特徴

特徴説明
高速確認応答なしでデータを送るため、処理が速い
順番保証なしパケットが順不同で届くことがある
エラー検出なしデータが破損・消失しても再送しない
接続不要(コネクションレス)送信したら終了

📌 使われる場面

用途具体例
音声・ビデオ通話VoIP(SIP, RTP)
オンラインゲームFPS, MMO, eスポーツ
DNS(ドメイン名解決)DNSクエリ(53番ポート)
ストリーミングYouTube、Netflix

📌 例:DNSでIPアドレスを取得

nslookup example.com

UDPでDNSサーバーに問い合わせを送信


3. TCPとUDPの違い(比較表)

項目TCPUDP
通信の信頼性高い(確認応答あり)低い(確認応答なし)
データの順序保証ありなし
エラー検出と再送ありなし
速度遅い(処理が多い)速い(シンプルな処理)
接続の有無あり(コネクション型)なし(コネクションレス)
用途Web、メール、SSH音声通話、ゲーム、DNS

4. TCPとUDPの使い分け

  • データの正確性が重要TCP(Web、メール、SSH)
  • リアルタイム性が重要UDP(音声通話、ゲーム、ストリーミング)

5. まとめ

TCPは信頼性重視、UDPは速度重視
TCPは確認応答(ACK)と再送があるため、安全だが遅い
UDPは送信するだけで再送なしなので、速いがデータが消えることもある
用途によって適切なプロトコルを選ぶことが重要!

TCPとUDPの特性を理解すると、ネットワーク通信の仕組みがよく分かります! 🚀

TCPやUDPは今も使うのか?

✅ 結論:今もめちゃくちゃ使われている!
インターネットやネットワーク通信に関わるほぼすべてのサービスで TCPとUDP は利用されています。
むしろ、これらがなかったら現代のネットは動きません!


1. TCPはどこで使われている?

TCPは「確実にデータを届ける」必要がある場面で今も使われています。

📌 現在も使われているTCPの主な用途

サービスプロトコル具体例
Web(インターネット)HTTP/HTTPSGoogle, YouTube, Amazonなど
メールSMTP/IMAP/POP3Gmail, Outlook, Yahoo Mail
リモート接続SSHサーバー管理(Linux, Mac, Windows)
ファイル転送FTP/SFTPクラウドストレージ、サーバー管理

現代の通信はほぼHTTPS(TCP)

  • Webブラウザでページを開くとき、HTTPS(TCP:443) を使用
  • クレジットカード決済などのデータは安全にやり取りされる

クラウドサービスもTCPを使用

  • AWS、Google Cloud、Azure のAPI通信もほぼすべてTCP
  • VPN接続も安全な通信のために TCP(またはUDP) を利用

2. UDPはどこで使われている?

UDPは「速さが必要で、多少のデータロスが許容される」場面で使われています。

📌 現在も使われているUDPの主な用途

サービスプロトコル具体例
オンラインゲームRTP、QUIC、UDPカスタムFPS、MMO、eスポーツ
音声・ビデオ通話VoIP(SIP, RTP)Zoom、Skype、Discord
動画・音楽配信QUIC, RTSPYouTube, Netflix, Spotify
DNS(ドメイン解決)DNS(UDP:53)Webサイトのアクセス
VPNWireGuard, OpenVPNセキュアなネット接続

オンラインゲームではUDPが主流

  • FPSやバトルロイヤル(Fortnite, Apex, CoD)では、リアルタイム性が重要
  • 少しのデータ遅延よりも速度重視UDP を使用
  • もしパケットが消えても、すぐに新しいデータを送れば問題なし

ZoomやDiscordはUDP

  • 音声通話・ビデオ通話は、遅延なく会話するため UDPを使う
  • TCPだとデータが詰まりやすい(ラグが増える)ため不向き

YouTubeやNetflixもUDP(QUIC)

  • HTTP/3(QUIC) はUDPベースの新しい通信プロトコル
  • TCPより速い ので、ストリーミングに最適

3. 未来でも使われる?

間違いなく使われ続ける!

  • TCPは安全なデータ通信に必須(Web、API、クラウド)
  • UDPはリアルタイム通信に不可欠(ゲーム、通話、ストリーミング)
  • 新技術(QUIC, HTTP/3)はUDPを活用

📌 実際に新技術でも使われている

  • QUIC(Google開発)→ HTTP/3 の基盤
  • WireGuard VPN → 高速VPNプロトコル
  • クラウドゲーミング(GeForce NOW, Stadia)→ UDP通信最適化

4. まとめ

TCPは今もWebやクラウドで大活躍!
UDPはゲーム・動画・通話などリアルタイム通信で不可欠!
新技術(QUIC、HTTP/3)もUDPを活用!

→ 今後も使われ続けるどころか、さらに進化していく! 🚀