制御とは
制御とは、システムの動作を望ましい状態に調整すること です。
簡単にいうと、「ものを思い通りに動かす技術」です。例えば、以下のような場面で制御が使われています。
日常での制御の例
- エアコンの温度調整
- 設定温度より暑ければ冷房を強く、寒ければ弱くする → フィードバック制御
- 自動車のクルーズコントロール
- 車の速度が落ちたらアクセルを踏み、速すぎたら緩める → PID制御
- 洗濯機の動作
- 水位や回転数を制御して適切に洗濯する → センサーを用いた自動制御
- ロボットアームの動き
- 目的の位置へスムーズに動かす → モデルベース制御、最適制御
制御の基本的な分類
制御には大きく2種類の方法があります。
① 開ループ制御(フィードフォワード制御)
👉 あらかじめ決められた通りに動かす方法
- 例:電子レンジ(時間を設定したら、その通りに加熱)
- メリット:シンプルで計算が簡単
- デメリット:外乱(気温や湿度など)の影響を受けやすい
② フィードバック制御
👉 目標値と現在の状態を比較して調整する方法
- 例:エアコン(設定温度と実際の温度を比べて調整)
- メリット:外乱があっても目標に近づけられる
- デメリット:センサーが必要、遅れが発生することがある
→ PID制御 はこのフィードバック制御の代表的な手法
制御の数学的な考え方
制御を数学的に扱うときは、次のように考えます。
- 入力(制御したい指示)
- 例:エアコンの設定温度(25℃にする)
- システム(対象となるもの)
- 例:部屋の空気(温度が変化する)
- 出力(実際の状態)
- 例:今の部屋の温度(23℃など)
制御の目的は、この 出力を目標値(25℃)にできるだけ近づけること です。
制御の応用例
- 自動運転(車のステアリング・加減速の制御)
- ドローンの飛行制御(姿勢を安定させる)
- 工場のロボット(アームの位置・速度制御)
- 医療機器(人工心肺・インスリンポンプの制御)
まとめ
制御とは、「ものを思い通りに動かす技術」。
フィードバック制御 を用いることで、環境の変化に対応しながら、目標の動作を実現できます。
次に、「具体的な制御方法」として PID制御 や 伝達関数 について学ぶと、より深く理解できます!