制御工学 学び直しカリキュラム(全15回)
第1部:基礎理論(1〜7回)
1回目:制御の基本概念とフィードバック制御
- 開ループ制御 vs フィードバック制御
- PID制御の直感的な理解(P・I・Dの役割)
- 実務での適用例(産業用ロボット・ドローン・自動運 転など)
2回目:ラプラス変換と伝達関数(数学基礎)
- ラプラス変換とは?(時系列の微分方程式を周波数領域に変換)
- 伝達関数の導出と意味
- MATLAB/Pythonでの実装
3回目:制御系の過渡応答と安定性解析
- 過渡応答(ステップ応答・インパルス応答)
- 安定性の概念(極と零点の関係)
- 安定性判別(ルース・フルビッツ判別法)
4回目:PID制御の設計とチューニング
- PIDの詳細な設計手法
- ゲイン調整法(Ziegler-Nichols法, Cohen-Coon法)
- Python/SimulinkでのPIDチューニング実践
5回目:周波数領域解析(ボード線 図とナイキスト線図)
- 周波数応答の基本概念
- ボード線図の描き方と制御系の解析
- ナイキスト安定判別法
6回目:状態空間表現と極配置法
- 伝達関数 vs 状態空間表現
- 状態フィードバック制御(極配置法)
- 実装例(Python/Matlab)
7回目:オブザーバ設計(カルマンフィルタ入門)
- オブザーバの役割と設計
- カルマンフィルタの基本(線形系の最適推定)
- 実務での適用(位置推定・ノイズ除去)
第2部:応用と発展(8〜15回)
8回目:ロバスト制御(H∞制御とμ解析)
- 外乱に強い制御系の設計
- H∞制御の概念と設計手法
- MATLABでのH∞制御設計
9回目:最適制御(LQRとMPC)
- LQR(線形二次レギュレータ)の理論と実装
- MPC(モデル予測制御)の概要と応用
- 実装(PythonでMPCを試す)
10回目:非線形制御(フィードバック線形化・スライディングモード制御)
- 非線形系の特徴
- フィードバック線形化とは?
- スライディングモード制御の実装
11回目:適応制御と学習制御
- パラメータが変化するシステムへの適応制御
- MRAC(モデル参照適応制御)
- ディープラーニングを使った学習制御
12回目:機械学習と制御(強化学習の応用)
- 強化学習と最適制御の違い
- DDPG/PPOを使った制御系の設計
- 産業応用事例(ロボット制御・自動運転)
13回目:ロボット制御(逆運動学・動力学)
- 逆運動学と順運動学の基礎
- ロボットアームの軌道制御
- シミュレーション(Python/Unity)
14回目:自律システムと実務応用(自動運転・ドローン)
- 自動運転車の制御(Path Tracking, Model-Based Control)
- ドローンの姿勢制御
- 現場での実装事例
15回目:実践プロジェクト(課題解決型)
- 実際の制御系設計(PID, LQR, MPCの統合)
- 制御システムのシミュレーションとチューニング
- 産業応用への展望
補足:実務に活かすためのリソース
- ツール:MATLAB, Python(Control Toolbox), ROS(ロボット制御)
- 書籍:
- 『現代制御工学(オガタ)』
- 『制御工学入門(古典制御・現代制御)』
- 『最適制御理論(LQR/MPC)』
- 実務で役立つスキル
- モータ・アクチュエータの制御
- 産業ロボット・PLCでの制御応用
- AI・強化学習と制御の統合
このカリキュラムなら 大学の制御工学を網羅しつつ、実務で使う技術もカバー できるので、学び直しと仕事の両方に活かせるはず。
特に、MPC・強化学習・ロバスト制御 など、最近の制御技術も取り入れてい るので、最新の応用にも対応できる内容になっています。