メインコンテンツまでスキップ

前提知識_ユースケース

**ユースケース(Use Case)**とは、システムがユーザー(または他のシステム)とどのように関わるかを具体的に示したものです。

簡単に言うと、
「システムを使って、ユーザーがどんなことをしたいのか?」 を整理するためのものです。


ユースケースの構成

ユースケースは通常、次の要素で表現されます。

  1. アクター(Actor)
    → システムを使う人や外部システム(例:建機オペレーター、AI研究者)
  2. ユースケース(Use Case)
    → アクターがシステムを使って行う具体的な操作や目的(例:「建機を操作してトレーニングする」「AI制御の検証をする」)
  3. システムの振る舞い
    → ユースケースの流れ、処理のステップ

ユースケース図

ユースケースは、UML(Unified Modeling Language)を使って図で表現することもあります。

例えば、以下のような図になります。

graph TD %% システム全体の枠を作成 subgraph System[建設機械リアルタイムシミュレーション] UC1(建機操作訓練) UC2(AI制御の検証) UC3(環境認識シミュレーション) end %% アクター(ユーザー)を配置 OP[オペレーター] --> UC1 AI[AI研究者] --> UC2 SE[システムエンジニア] --> UC3 %% ユースケース間の関係 UC2 -->|センサーデータを活用| UC3

この図は、「建設機械のリアルタイムシミュレーションシステム」に関するユースケース図です。 ユースケース図は、システムの機能(ユースケース)と、それら各機能を利用するユーザー(アクター)の関係を示しています。 システムが誰に対して、どんな機能を提供するかを整理する手法がユースケースです。

具体的には、以下のことを表しています。


1. システム全体

システム名:建設機械リアルタイムシミュレーション

  • このシステムは、建設機械のリアルタイムシミュレーションを行うことを目的としています。

2. ユースケース(システムの機能)

  • 建機操作訓練(UC1):オペレーターがシミュレーション環境で建設機械を操作して訓練を行う機能。
  • AI制御の検証(UC2):AI研究者がシミュレーションを使って、AIによる建設機械の自動運転機能を検証する機能。
  • 環境認識シミュレーション(UC3):システムエンジニアがセンサー(LiDARやカメラ)データをシミュレーションし、環境認識機能を検証する機能。

3. アクター(システムを利用する人や役割)

  • オペレーター:建設機械を操作するユーザー。シミュレーションを使って操作訓練を行う。
  • AI研究者:AI技術を使って建設機械の自動運転を検証するユーザー。シミュレーション内でAIによる建機制御をテストする。
  • システムエンジニア:システムを開発・運用するエンジニア。シミュレーションでセンサーからのデータを使って環境認識をテストする。

4. ユースケース間の関係

  • 例えば、AI制御の検証(UC2)と環境認識シミュレーション(UC3)は、センサーデータを相互に活用する関係にあります。この関係を矢印で示しています。

「建設機械のリアルタイムシミュレーション」のユースケース例

(1) トレーニング用シミュレーション

項目内容
ユースケース名建機オペレーターのトレーニング
アクター建機オペレーター
概要仮想環境でショベルカーの操作を学ぶ
前提条件VR機器またはシミュレーターが接続されている
基本フロー1. オペレーターがシミュレーションを開始する
2. 建機を操作し、掘削や積み込みの訓練をする
3. 成績を評価し、改善点を確認する

(2) AI研究者向けの自動運転検証

項目内容
ユースケース名AI制御の検証
アクターAI研究者
概要AIによる建機の自動操作をシミュレーションする
前提条件AIモデルがシステムに統合されている
基本フロー1. 研究者がAI制御モジュールをシミュレーションに適用する
2. AIがセンサー情報をもとに建機を動かす
3. 挙動データを収集し、学習・改良する