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基本

プロジェクトマネジメントには**PMBOK（Project Management Body of Knowledge）**という国際的なガイドラインがあり、その中で「10の知識エリア」が定義されています。これは、プロジェクトを円滑に進めるために必要な管理領域を体系化したものです。

PMBOKの10の知識エリア​

1. 統合管理（Integration Management）​

  • プロジェクト全体の調整を行い、スコープ・コスト・リスクなどを統合的に管理する。
  • 例：プロジェクト憲章の作成、変更管理、成果物の統合。

2. スコープ管理（Scope Management）​

  • 何を作るのか（スコープ）を定義し、管理する。
  • 例：WBS（Work Breakdown Structure）の作成、スコープ変更の管理。

3. スケジュール管理（Schedule Management）​

  • タスクの順序や所要時間を決め、スケジュールを管理する。
  • 例：ガントチャート、クリティカルパス分析。

4. コスト管理（Cost Management）​

  • 予算を策定し、プロジェクトのコストを管理する。
  • 例：見積もり、EVM（Earned Value Management）によるコスト監視。

5. 品質管理（Quality Management）​

  • 成果物の品質基準を定め、適切に管理する。
  • 例：品質保証（QA）、品質テスト（QC）。

6. 資源管理（Resource Management）​

  • 人材や設備、材料などのリソースを管理する。
  • 例：人的資源計画、チームのモチベーション管理。

7. コミュニケーション管理（Communication Management）​

  • ステークホルダー間の情報共有を円滑に行う。
  • 例：会議、レポート作成、情報共有ツールの活用。

8. リスク管理（Risk Management）​

  • プロジェクトのリスクを特定し、対応策を講じる。
  • 例：リスク登録簿（リスクマトリクス）、回避・低減・受容戦略。

9. 調達管理（Procurement Management）​

  • 外部の企業やサプライヤーとの契約・購買を管理する。
  • 例：契約管理、サプライヤー評価。

10. ステークホルダー管理（Stakeholder Management）​

  • プロジェクト関係者（顧客、スポンサー、チーム）の期待を適切に管理する。
  • 例：ステークホルダー分析、エンゲージメント戦略。

プロジェクトマネジメントの全体観​

1. プロジェクトのライフサイクル​

プロジェクトは5つのプロセス群を経て進行する。

  1. 立ち上げ（Initiating） – 目的とスコープを決定
  2. 計画（Planning） – WBS、スケジュール、リスク管理計画を作成
  3. 実行（Executing） – 実際の作業を進める
  4. 監視・コントロール（Monitoring & Controlling） – 進捗を管理し、問題を修正
  5. 終結（Closing） – 成果物を納品し、プロジェクトを正式に終了

2. プロジェクトマネージャーが知っておくべきこと​

① アジャイル開発とウォーターフォール開発​

  • ウォーターフォール：要件を最初に決めて進める（建設・製造業向き）
  • アジャイル：反復的に開発しながら要件を調整する（ソフトウェア開発向き）

② プロジェクトマネージャーの役割​

  • ファシリテーター（調整役）：チーム間の衝突を解決
  • 決断者：リスクとコストを考慮しながら判断を下す
  • モチベーター：チームの士気を高める

③ 成功するプロジェクトのポイント​

  1. 明確な目標設定（目的を全員が理解しているか）
  2. リスクの事前対策（問題が起こる前に対処を考えておく）
  3. 定期的なレビュー（進捗を振り返り、計画を調整）
  4. 適切なコミュニケーション（情報共有がスムーズか）

プロジェクトマネジメントは、単なるタスク管理ではなく、リーダーシップ・リスク管理・戦略的思考を必要とする分野。
特に、ソフトウェアやシミュレーション開発のプロジェクトでは、アジャイルやDevOpsの知識も重要になるよ！